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電車は笑いの教室

電車で、昔はおばさまトリオが隣に座ったら煩いなとおもってた。今は横にわざわざ座りに行ってしまってる。とても楽しそうに駅までしゃべり続けるおばさまたちが、どんな話題をどう展開してるのかしりたいから。ネタを拾いたいから‥なんてことは二の次で、会話を楽しませてもらっている。

 

 ある日の車内でおばさまトリオと乗り合わせた。会話の口切りは「旦那の昼ごはんをどうしてきたか」。おばさま1〔チンしたらいいだけにしてきた〕。おばさま2〔ほったらかしてきた〕。おばさま3〔ランチまでに帰る〕。1と2大変驚く。「ええー!なんで?せっかく出てきたのにもったいなんやん」。私「たしかに自分の時間けずってまで、、」と心の中でうなづいてたら、話は違った。1と2「電車賃もったいないやん」、、そっちか。

 さてこのトリオで頭をとったのは2。いかに旦那が料理ができるようになったのか、結婚から今に至るまでの解説が語られる。ひとり語りではない。1と3との掛け合いで話が進んでいく。料理するようになったきっかけ、教え方の秘訣、メニューなどなど。果てにはどこのお惣菜が美味しいか、どこの八百屋が新鮮か、米の価格変動にも話が飛ぶ。思わずメモをとりたくなる情報が満載。時には男女平等論まで。かといって「旦那も料理すべき」の結論には至らない。それぞれがそれぞれの課題やいいところを共有しあって、なにがいいと結論はださない。これがいいのかもしれない。お互いを自然に認め合う結果、三人三様楽しい時間を電車のなかですごしておわる。(そう!これは電車の中の話なのだ) 三人がまた同じ電車に乗り合わせたら、またおしゃべりに花が咲き、三人三様「ようしゃべった。楽しかった」の思いをもって電車を降りるのだろう。

 電車に乗り合わせるご近所同士。屈託ない、結果を出さない会話を楽しむ時間。住んでる場所で良い関係を気づく秘訣なのかもしれない。この心得と絶妙な会話の展開の技。コミュニケーションを育むヒントがありそうに気がする。

 

 と、今日も電車の中でおばさまたちの集団を見かけたら、すいてる車内で近くにわざわざ座る、あやしい私。

 

商店街アドバイザー ユーモアコンサルタント

堀 登志子