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憤怒で大笑い

今秋はまってるテレビドラマ「小さい頃は、かみさまがいて」フジテレビ。昔決めた離婚話を巡って、成人したこどもたちと夫婦、そして同じ建物に住む同棲カップルや老夫婦や孫たちで綴る物語なのだが。このコラムを書く前日の放送ででてきた「憤怒」。

若かりし頃の奥さんが旦那の言葉に「絶望」「憤慨」「激怒」などを通り越して、胸に沸き起こった感情。それが「憤怒」。怒りの頂点らしい。で、「憤怒」「ふんぬ」「フンヌ」と言い続けてると、「なぁんかもー馬鹿馬鹿し!アホらし!となって、しまいに笑らけてくる」という話。

ドラマの中では、周りの人たちに伝染していくかのように「憤怒」と楽しげに言い出して、怒りの対象だった旦那までが笑いながらやってた。

 

「同じ言葉やフレーズを何度も繰り返すと笑えてくる」と高座から語る後輩がいた。なにもおかしいことないのに、同じ言葉を耳が聞いてると自然に口元が緩み、クスリと笑みがこぼれ、笑ってしまう自分がいる。

 

感情を、負から正に振り返すのは大変なことだ。でも、怒りから喜びではなく、笑いに振り返すのは案外楽なのかもしれない。おもしろいと思ってなくても笑えて、笑っていたら、感情も笑ってしまう不思議な力が笑いにはあるのだから。

笑いには、おもしろい、楽しいという正の方向だけでなく、シニカル、自己防衛といった色んな背景があるが、やはりできることなら生の方向に振り切る力に活かしたいものだ。

笑門来福

 

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商店街アドバイザー ユーモアコンサルタント

堀 登志子