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笑って認知症予防

 先日「笑って認知症予防」をテーマに、京都の地域包括センターでお話をさせていただきました。観光地でまちは賑わっているように見えるものの、高齢の単身世帯が増え、京都人の奥ゆかしさからかSOSをだす人が少なく、引きこもりになってしまうことを一番恐れている地域。

 

 とにかくでてきてもらって、楽しくみんなでおしゃべりしてもらたいとの心がこもったプログラム。その中の〆の講演会でした。

 到着するとすでにたくさんの方が楽しそうに集まっています。

 

 まずは「宅配食の試食会」。「まずいんちゃうん」という思い込みを払拭してもらって、毎日美味しく食べてもらいたいと、数社の宅配業者さんの試食会。「食べる」ことは楽しい。

 

 同時開催されていたのが「デイサービスでのお風呂体験」。古い建物での水回りは寒かったり段差があったり危ない。一度体験すると利用しやすくなるもの。なんと順番待ちをしてはります。

 

 そして「移動販売車でのお買物」。お刺身や野菜やお菓子や・・・熱が入る。

 

 最後の〆が講演会「笑って認知症予防」。登壇しました。「楽しみもう」という気持ちになってくださっているお客さんは心強いです。笑わせてもらう楽しませてもらうのではなく、笑おう楽しもうと前のめりの気持ちになっています。認知症の予防はストレスを貯めない精神運動とお話した後、「笑ってあいうえお」「ためしてみよう」「笑って美人になろう体操」と、どんどんリクエストをこなしていってくれはります。笑い声でいっぱいです。終わってからも楽しい空気は消えません。

 

 要因はどこにあったのか。ひとつは「楽しみ三昧」のプログラム。生活に即した楽しみを通じて、心がうきうきしていた。ひとつは職員さんの心遣い。準備から当日のアテンドまで、きっとめいっぱいだったはずなのに、職員さんの心は常にお客さんに向いていました。一人一人に名前で声をかけ、荷物を持っていれば手を差し伸べ、「未だ来ない」といっては探しにいき、とにかく心がお客さんをむいている。これはすばらしいこと。

 

 イベントの企画担当者が、お客さんに心を向けていなかった時。どれだけたくさんのお客さんが来て、滞りなくおさまったようでも、お客さんの心になにかひっかかるものが残るもの。それがまったくなく、常にお客さんの心が向いていたのは、ふだんからの心の訓練によるものでしょう。きっとこのセンターはいつも楽しい優しさに包まれていることと思います。このセンターを中心に、まちなかに良い関係が育まれていくこと。これが彼らの掲げている目標と感じました。

 

 認知症になってしまっても楽しく安心して暮せるまちをつくること。これからの課題。

 

日本笑い学会理事 商店街よろず相談アドバイザー 堀 登志子